強凝集細胞、マイクロキャリア培養細胞のトータルカウント

凝集度合いの強いサンプルには、専用の試薬を使用するAggregated Cell Assayをお勧めします。

▼対応機種
       
NC-200
NC-202
NC-250
NC-3000

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マイクロキャリア上で培養された細胞のカウントについてはこちら

高度に凝集した細胞のセルカウントと生存率測定

スフェロイド培養細胞、iPSC、乳がん細胞株などの凝集した細胞は、細胞のカウントが困難です。互いに重なり合った個々の細胞を正しく区別することは難しく、多くの自動セルカウンターにとっての課題となっています。

血球計算盤またはフロー系のシステムでトリパンブルー染色細胞をカウントする場合、凝集塊が5個や10個、またはそれ以上の細胞で構成された高度に凝集した細胞の、細胞数と生存率を測定することは、大変困難です。

NucleoCounter®は、細胞全体ではなく核をカウントするため、凝集塊であっても細胞数と生存率を評価することが可能です。Lysisバッファーと、最適化された2ステップのプロトコルにより、高度に凝集した細胞サンプルの細胞数と生存率を正確に決定します。

アッセイの原理

ステップ1:すべての細胞をLysisバッファーで処理し、DAPI染色によりカウントします。
ステップ2:未処理のサンプルではDAPIによって死細胞のみがカウントされます。NucleoCounter®は最短30秒で、正確な細胞数と生存率を表示させます。
【NucleoCounter® NC-202™の場合】
細胞サンプルの処理後、Via2-Cassette™とNucleoCounter® NC-202™装置を用いて、全細胞と死細胞をカウントします。核は細胞全体の面積のほんの一部であるため、個々の細胞を確実に区別し、カウントすることができます。

細胞数および生存率測定にさらなる分析を加えたい場合は、NucleoCounter® NC-3000™が便利です。サンプルをDAPIと任意の蛍光試薬で染色し、NC-Slide A2™およびNC-Slide A8™にサンプルをロードして分析することが可能です。

結果

上の画像は、Lysisバッファーで処理したMCF-7細胞(上段)とマイクロキャリア上で培養したCHO-S細胞(下段)を示しています。

Lysisバッファーでの処理に関わらず、サンプルには同じ数の細胞が存在しているはずですが、Lysisバッファーによって均一に分散したサンプルは、サンプルの一部の分画でカウントする場合よりも、偏りの少ないカウントが可能であることが分かります。Lysis処理を行わない場合、凝集体やマイクロキャリアを大量に含むサンプルや、非常に少数の細胞を評価することになってしまい、計数結果に大きなばらつきが生じる可能性があります。

NucleoCounterシリーズには、細胞の種類やモデルによって異なるプロトコルがありますので、お使いの装置やサンプルタイプに適したアプリケーションノートに従ってください。

操作手順

NCスライドを使用した場合

NCカセットを使用した場合

消耗品

  
カセット各種、スライド カセットとスライド
910-3010 Solution 10 Lysis buffer 2-Step Cell Cycle, 全細胞数測定(凝集細胞)
910-3012 Solution 12 DAPI 2-Step Cell Cycle, 全細胞数測定(凝集細胞)
910-0010 Lysis 1 全細胞数測定(NC-202,マイクロキャリア, 細胞塊)
NC-202, NC-200, NC-250, NC-3000の価格はお問い合わせください。

マイクロキャリア上で培養された細胞のカウント

マイクロキャリア上で培養された細胞はNucleoCounterにより正確にカウントすることができます。このプロトコールでは、2つの試薬を使用し、細胞の核を露出させ、使い捨てのVia1-Cassetteに細胞溶液をロードし、NucleoCounterにセットします。NucleoCounterは蛍光染色、画像取得、画像解析を自動的に行います。 手順全体としては5分未満で完了します。

マイクロキャリアを使用した培養

幹細胞、ウイルス産生細胞、またはその他の細胞の培養をバイオ医薬品産生および治療用途のためにスケールアップすることは困難な場合があります。 マイクロキャリアは、バイオリアクターで付着細胞を増殖させるための便利な方法を提供します。この方法により、少ない培養液量で多数の細胞を培養することを可能にし、大規模生産においても、プロセスの複雑さと人手のかかる労働を軽減します。

マイクロキャリアは、接着細胞が付着する足場として機能し、バイオリアクターは細胞とマイクロキャリアの複合体を培地に自由に懸濁させたまま増殖させます。したがって、付着細胞株は浮遊細胞のように成長し、スケーリングを簡素化し、既存のリソースをプロセスの最適化と生産に活用できるようにします

マイクロキャリアに使用される典型的な材料は、アクリルアミド、アルギン酸塩、デキストラン、ゼラチン、ガラス、ポリスチレンであり、これらにマトリゲルなどのベースとなるメンブレンポリマーをコーティングしたり、細胞治療の用途で使用されるゼノフリー培養システムにマトリゲルのようなコーティングを施したりします。

マイクロキャリア-接着細胞用の拡張性ある培養システム
図1.マイクロキャリアバイオリアクター
マイクロキャリアによってバイオリアクター内で接着細胞を培養することができます。

時間短縮

細胞数と生存率は、大規模な細胞による生産を最適化および監視する際の重要なパラメーターです。 従来法では、マイクロキャリアで増殖した細胞は、トリプシン消化とトリパンブルー染色を含む多段階プロセスを使用してカウントされてきました。 この方法は正確性が低く時間がかかります。
従来のトリプシン法とNucleoCounterワークフローを比較すると、NucleoCounterによっていくつかの遠心分離、ピペッティング、およびインキュベーションのステップを省くことができ、 セルカウントプロセス全体が5分未満で完了します。

従来法とNucleoCounter法の比較

消耗品

カセット各種、スライド カセットとスライド
910-0010 Lysis 1 全細胞数測定(NC-202,マイクロキャリア, 細胞塊)
910-120ML 細胞処理試薬A100&B 全細胞数測定(NC-100,マイクロキャリア)

アプリケーションノート