体液性免疫の包括的モニタリング
C.T.L.社のB細胞ELISPOTアッセイキットは、抗原特異的IgG産生細胞検出用に加え、多種類のIgクラス産生細胞検出用とIgGサブクラス産生細胞検出用を揃えています。
検出法に発色(Enzymatic)と蛍光(FluoroSpot)が選択可能で、2ターゲット以上の検出にも対応しています。
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シングルカラーキット
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マルチターゲット
ELISAを用いた従来の抗体価測定では、個々の免疫グロブリン(Ig)クラスまたはIgGサブクラスを別々のアッセイで検出するため、複数のIgクラス/サブクラスの包括的研究は困難であり、必要とする細胞数は多く、追加の抗原と労力が必要となります。
CTLのFluoroSpotでは最大4種類の免疫グロブリン産生細胞の存在を同時検出できるキットがあります。マルチターゲットキットについて詳細は
こちら をご覧ください。
ELISPOTアッセイの観点で品質管理された主なコンポーネントが、ワンソースで揃います。
C.T.L.社のB細胞ELISPOTアッセイキットは、アッセイに必要なPVDF膜プレート、検出抗体、発色試薬、希釈用バッファーに加え、
※ メモリーB細胞を活性化するアクチベーターも提供します。
CTL社のELISPOT、FluoroSpotキットをご購入いただいたお客様で、アナライザーがご利用いただけない場合に、弊社でプレートをスキャンし結果をお返しする
解析受託サービス をご提供しております。
※Ferretキットを除く
B Cell ELISPOT Assayの概要
B細胞ELISPOTは、免疫グロブリン分泌B細胞を検出するために開発されました。単一クラスの免疫グロブリンをモニターするための非常に感度の高いツールです。
B細胞は、生体内で適切な刺激を受けると、リンパ芽球/プラズマブラスト(抗体産生形質細胞)の表現型を獲得し、独自のB細胞受容体である免疫グロブリン(Ig)(一般的には抗体と呼ばれる)を分泌し始めます。このようなIgを分泌するプラスマブラストは、抗体分泌細胞(ASC)としても知られており、B cell ImmunoSpot®アッセイにより存在頻度を計測することができます。しかし、安静時のメモリーB細胞をB cell ImmunoSpot®アッセイで検出するためには、事前にin vitroで刺激してIg分泌型プラスマブラストに分化させる必要があります。CTL社のキットでは、抗体を分泌するB細胞をex vivoで直接、またはin vitroで事前に刺激した後に測定することができます。
ELISPOT/FluoroSpot法の主な長所は、血液中の抗原反応性メモリーB細胞の計数を可能にすることで、メモリーB細胞プールの規模や、各メモリー細胞によって産生される抗体クラス/サブクラスに関する洞察を提供し、B細胞メモリーの質を明らかにすることができることです。また、もう一つの利点は、B細胞はPBMC中の分泌抗体の唯一の供給源であるため、事前にB細胞を分離/選別する必要がなく、PBMCを用いてアッセイを実施できることです。
トータルIg ASCと抗原特異的Ig ASCの検出
(A) Total Ig(G) ASCの検出:PVDF膜を高密度にコーティングしたpan-Ig(ライトグレー)により、ヒトIgG(青)が補足され、検出用の抗ヒトIg抗体(茶色)により視覚化される。
(B) 抗原特異的Ig(G) ASCの検出:PVDF膜を高密度にコーティングした抗アフィニティータグ特異的抗体※により、抗原によるメンブレンのコーティングが行われる。抗原特異的ASCにより分泌されたヒトIgは、検出用の抗ヒトIg抗体(茶色)により視覚化される。
※PVDF膜を抗原で直接コートする方法は、高密度なコーティングが困難であるためアフィニティータグを使ったコーティング方が開発された。
出典:"Monitoring Memory B Cells by Next-Generation ImmunoSpot® Provides Insights into Humoral Immunity that Measurements of Circulating Antibodies Do Not Reveal"
Alexander E. Kalyuzhny (ed.), Handbook of ELISPOT: Methods and Protocols, Methods in Molecular Biology, vol. 2768
https://doi.org/10.1007/978-1-0716-3690-9_11 , © The Author(s) 2024
アッセイに使用する細胞(B細胞由来の抗原産生細胞(ASC))の違い
生体内で活性化された状態(目安:抗原曝露から1週間後~):プラズマブラスト
⇒サンプルを、ELISPOTアッセイにすぐ利用可能
生体内で活性化されていない状態:メモリーB細胞(Bmem)
→サンプルを、In vitroでポリクローナル刺激(約5日)してからELISPOTアッセイに適用
・IgA/IgG/IgM :R848 (1 µg/ml) + rIL-2 (10 ng/ml)
・IgE :anti-CD40 (1 µg/ml)+ rIL-4 (30 ng/ml) + rIL-21 (50 ng/ml)
これらのポリクローナル刺激用の試薬は、
CTL B-Poly-S試薬 として単品販売しており、ほとんどのキットにあらかじめ同梱されています。
参考:アフィニティーに基づく抗体分泌形質細胞とメモリーB細胞の分化
二次リンパ組織(例:リンパ節)において、ナイーブB細胞("B
naive ")は、そのB細胞受容体(BCR)が活性化を引き起こすのに十分な親和性を有する濾胞樹状細胞("FDC")によって提示される抗原("Ag")に遭遇する。B細胞はBCRが獲得した抗原由来のペプチドを濾胞ヘルパーT細胞("T
FH ")に提示し、両細胞の活性化/局在化および増殖が生じる。
→ その後、B細胞はリンパ節内の胚中心に入り、増殖とBCRの体細胞超変異("SHM")を繰り返す。SHMはランダムであり、娘細胞は抗原に対して幅広い親和性を持つBCRを示す。
→親和性の高いBCRを持つ細胞は正選択され、増殖と更なるSHM、親和性による正選択のサイクルを経て最終的に抗体分泌形質細胞(PC)へ分化する。
→ より親和性の低いBCRバリアントを発現する娘細胞は、B
mem としてリンパ節から排出される。交差反応性によっては、これらのB
mem は変異型の抗原に対して高い親和性を持つ可能性がある。
出典:"Monitoring Memory B Cells by Next-Generation ImmunoSpot® Provides Insights into Humoral Immunity that Measurements of Circulating Antibodies Do Not Reveal"
Alexander E. Kalyuzhny (ed.), Handbook of ELISPOT: Methods and Protocols, Methods in Molecular Biology, vol. 2768
https://doi.org/10.1007/978-1-0716-3690-9_11 , © The Author(s) 2024
CTL社B細胞ELISPOTキット 製品ラインナップ
ダブルカラー発色ELISPOTキット、2カラー以上のFluoroSpotキットについては
マルチプレックスELISPOT/FluoroSpotキットのページをご覧ください。
B細胞シングルカラーキット/ Single Color B cell ImmunoSpot kit
下の表の各製品をクリックすると製品検索ページに移動します。
カニクイザル/Cynomolgus: (C)、アカゲザル/Rhesus: (R)
*Balb/c (IgHa)のみ、C57BL/6(IgHb)のみ
その他IgM、IgA、IgG、IgE、IgG1、IgG3、IgG2bはマウス系統C57BL/6、BALB/c両方で交差反応性あり
キット構成
◆ B-Poly-S
※
単独で購入可能です。(ページ下)
保存について:2~8℃で7日間まで冷蔵保存可能です。
長期保存の場合は、-20℃以下の保存が推奨されますが、凍結/融解の繰り返しを避けるために小分けの上、保存してください。
◆ PVDFメンブレンプレート
◆ Igキャプチャー抗体
◆ Biotinラベル検出抗体
◆ Strep-AP
◆ 基質と希釈液
◆ プロトコール
※Ferretキットを除く
関連試薬:ポリクローナルB Cell Activator
メモリーB細胞は、直近で抗原に遭遇していない静止状態で存在し、個々のB細胞抗原受容体(BCR)を可溶性抗体として分泌しません。
従って、ELISPOTやFluoroSpot(ImmunoSpotと総称)測定には、休止状態のメモリーB細胞へのポリクローナル刺激が必要となります。
ImmunoSpotアッセイにおいて、ほとんどのin vitro ASC測定には4~7日間の前刺激培養が推奨されます。
■CTL社B細胞ELISPOTおよびFluoroSpotキットには、あらかじめ適したB-Poly-S試薬が添付されています。
CTL Human B-Poly-S™ (品番:CTL-HBPOLYS-80, CTL-HBPOLYS-200)
Human B-Poly-S™は、ポリクローナル刺激と、IgA、IgMおよび4つのIgGサブクラスすべてを産生する抗体分泌細胞(ASC)へのB細胞の分化を促進します。
製品内容
CTL Human B-Poly-Sは、Resiquimodと組換えHuman IL-2を含むストック溶液です。
使用について
多くのin vitro ASCアプリケーションでは、4-6日間の細胞の事前刺激が推奨されます。
滅菌環境において、10 mLの培地当たり10 μLのCTL B-Poly-S™を添加します。未分画のPBMCや脾臓細胞では、1-4 x 10^6/mlの初期細胞濃度が適していますが、分離されたB細胞を培養する場合は、2~5 x 10^4 /mlの初期細胞密度をお勧めします。
詳細は
データシート をご覧ください。
CTL Human B-Poly-SE™ (品番:CTL-HBPOLYSE-35, CTL-HBPOLYSE-160)
CTL Human B-Poly-SE™は、B細胞のポリクローナル刺激と抗体分泌細胞(ASC)への分化を促進することが示されています。特に、B-Poly-SE™はIgM+ B細胞レセプターを発現するナイーブB細胞の分化を阻害し、IgEを含むすべてのIgクラスおよびIgGサブクラスの産生を誘導することができます。
製品内容
CTL Human B-Poly-Sは、抗CD40モノクローナル抗体と組換えHuman IL-4、組換えHuman IL-21を含むストック溶液です。
使用について
多くのin vitro ASCアプリケーションでは、4-6日間の細胞の事前刺激が推奨されます。
滅菌環境において、10 mLの培地当たり30 μLのCTL B-Poly-SE™を添加します。未分画のPBMCや脾臓細胞では、1-4 x 10^6/mlの初期細胞濃度が適していますが、分離されたB細胞を培養する場合は、2~5 x 10^4 /mlの初期細胞密度をお勧めします。
B-Poly-SE™は、個々のIgクラス(IgEを含む)を分泌できる抗体分泌細胞(ASC)の分化を誘導します。
詳細は
データシート をご覧ください。
CTL Mouse B-Poly-S™ (品番:CTL-MBPOLYS-80, CTL-MBPOLYS-200)
Mouse B-Poly-S™はポリクローナル刺激を促進し、B細胞をIgA、IgG、IgMを産生する抗体分泌細胞(ASC)に分化させます。
製品内容
CTL Mouse B-Poly-Sは、Resiquimodと組換えMoue IL-2を含むストック溶液です。
使用について
多くのMouse in vitro ASCアプリケーションでは、3-5日間の細胞の事前刺激が推奨されます。
滅菌環境において、10 mLの培地当たり10 μLのCTL B-Poly-S™を添加します。未分画のPBMCや脾臓細胞では、1-4 x 10^6/mlの初期細胞濃度が適していますが、分離されたB細胞を培養する場合は、2~5 x 10^4 /mlの初期細胞密度をお勧めします。
B-Poly-SE™は、個々のIgクラス(IgEを含む)を分泌できる抗体分泌細胞(ASC)の分化を誘導します。
詳細は
データシート をご覧ください。
価格表
※保存について:2~8℃で7日間まで冷蔵保存可能です。
長期保存の場合は、-20℃以下の保存が推奨されますが、凍結/融解の繰り返しを避けるために小分けの上、保存してください。
品番
品名
保存条件
容量/入数
希望小売価格(税別)
CTL-HBPOLYS-80
CTL Human B-Poly-S (Stimulation for IgM, IgG, IgA)
-20℃
80μl
¥25,000
CTL-HBPOLYS-200
CTL Human B-Poly-S (Stimulation for IgM, IgG, IgA)
-20℃
200μl
¥55,000
CTL-MBPOLYS-80
CTL Mouse B-Poly-S
-20℃
80μl
¥24,000
CTL-MBPOLYS-200
CTL Mouse B-Poly-S
-20℃
200μl
¥55,000
CTL-hBPOLYSE-35
CTL Human B-Poly-S (Stimulation for IgE)
-20℃
35μl
¥30,000
CTL-hBPOLYSE-160
CTL Human B-Poly-S (Stimulation for IgE)
-20℃
160μl
¥117,000
関連情報
法規制等
製品群
毒劇
化管法 (第1種指定)
化管法 (第2種指定)
労働安全衛生法
日本語SDS
B cell 発色 Kit
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該当 メタノール
SCE-SDS
CTL-hBPOLYS-200 CTL-hBPOLYSE-200 CTL-mBPOLYS-200
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CTL社 ImmunoSpot Kitはすべてカルタヘナ非該当です。
プロトコール
アプリケーションノート