概要

エンドトキシンは、グラム陰性菌の外膜に存在する脂質です。サブナノグラムのエンドトキシンは、免疫反応を引き起こし、多くの細胞タイプの機能を変化させることが知られており、エンドトキシンの除去は、タンパク質や抗体の精製において最も困難な下流工程の1つであることが知られています。グラム陰性菌は、組換えペプチドやタンパク質を製造するためのベクターとして広く使用されています。
エンドトキシン除去のためのプロトコールの多くは、非アフィニティクロマトグラフィー法（イオン交換クロマトグラフィー、Triton-X-114を用いた相分離など）、または市販のアフィニティーレジンを用いた低速のオープンカラムによる手法に基づいています。
Proteus NoEndo™スピンカラムキットは、独自のSelfSeal™メンブレン構造やFlowGo™技術をもつディスポーザブルカラムおよびの使用と遠心式の採用により、組換えタンパク質、抗体、ウイルスベクターからエンドトキシンを効果的に除去するための標準化された方法を提供します。

特徴

◆ サンプルに含まれるエンドトキシン量とサンプル量に応じて4種類のフォーマットを用意しています（下表参照）。S(Standard)とHC(High Capacity)キットは、レジンがパックされたプラグをカラムに取付けた後サンプルを加えて遠心します（下の図右）。μ(Micro)とM(Mini)はサンプルと必要量のレジンをカラムに加えてから遠心します（下の図左）。
◆ 精製に必要な時間は最短で1時間です。
◆ カラムはディスポーザブルです。
◆ カラムへのタンパク質吸着がほとんどありません。タンパク質の分子量、等電点に関係なく高い回収率です。
◆ より高度な精製が必要な場合、μとMはインキュベーション時間を3時間に、SとHCは２個のカラムを通すことをお勧めします。

FlowGo™の利点：この技術は、遠心中のバックプレッシャーを利用することで、アフィニティーレジンカラムを通過するサンプルおよびバッファーの安定し制御されたスルーを実現します。この強力なフローレギュレーション技術は、類似の自然落下およびスピンシステムと比較して、最大限のエンドトキシン除去、より高いタンパク質回収、そして精製結果の改善をもたらします。カラムは充填済みで、すぐに使用可能な形で提供されます。

SelfSeal™メンブレンの利点：このコーティングされたメンブレンは、バッチインキュベーション中にサンプルがカラムからコレクションチューブへ漏れることを防ぎます。遠心中は膜の孔が拡張し、エンドトキシンを含まない溶出液がコレクションチューブに落下します。
エンドトキシンの除去を確実にするために、接触時間を最大化し、タンパク質、抗体、ドメイン抗体の損失はありません。

μとMの手順模式図（左）、SとHCのカラム（右）

キット選択の目安

	NoEnd Micro /μ	NoEnd Mini /M	NoEnd Standard /S	NoEnd High Capacity /HC
精製方式	バッチ式/ SelfSeal™メンブレン		プレパックカラム/ FlowGo™
最小/最大サンプルロード量	0.1/0.6mL	0.25/20mL	1/20mL	1.7/20mL
ロード可能なエンドトキシンレベル	300-500 EU/ml	3,000 EU以下	30,000 EU以下	1,000,000 EU以下
結合量/mLレジン	~1,000,000 EU/mL
精製後の最少エンドトキシンレベル	<0.03EU/mL	<0.03EU/mL	<0.05EU/mL	<0.05EU/mL
エンドトキシン除去能（カラム１つ使用）	－	－	3 log reduction	3 log reduction
エンドトキシン除去能（カラム2つ使用）	－	－	4 log reduction	4 log reduction
エンドトキシン除去能（1時間インキュベーション）	3 log reduction	3 log reduction	－	－
エンドトキシン除去能(3時間インキュベーション)	4 log reduction	4 log reduction	－	－
レジン量	0.01-0.1mL ルーズレジン	0.25mL ルーズレジン	1mL プレパックレジン	1.7 mL プレパックレジン
最適用途・発現系
大腸菌				〇
動物細胞	〇	〇	〇
昆虫細胞	〇	〇	〇
酵母	〇	〇	〇
精製(ポリッシング用)	〇	〇	〇	〇

Micro キット構成およびキット以外に必要なもの

Micro キット構成

	NoEndo™レジン	Proteus スピンカラム （600μlまで対応）	2.2ml遠心チューブ
GEN-NoE2Micro	1 x 0.2 ml	2個	4個
GEN-NoE24Micro	1 x 2.4 ml	24個	48個
GEN-NoE100Micro	1 x 10 ml	100個	100個

Mini キット構成

	NoEndoレジン	Proteus スピンカラム クリアプッシュキャップ	Yellow batch incubation screw caps	50 ml 遠心チューブ
GEN-NoE2M	2 x 0.25 ml	2個	2個	2個
GEN-NoE12M	12 x 0.25 ml	12個	12個	12個
GEN-NoE48M	48 x 0.25 ml	48個	48個	0

Standard キット構成

	NoEndo™ resin column plugs (1ml)	Proteus Midi spin column devices	レジンプラグ 挿入ツール	50 ml 遠心チューブ
GEN-NoE12S	12個	12個	1個	12個
GEN-NoE2S	2個	2個	1個	2個
GEN-NoE48S	48個	48個	1個	0

HighCapacity キット構成

	NoEndo™ resin column plugs(1.7ml)	Proteus Midi spin column devices	レジンプラグ挿入 ツール	50 ml 遠心チューブ
GEN-NoE2HC	2個	2個	1個	2個
GEN-NoE12HC	12個	12個	1個	12個
GEN-NoE48HC	48個	48個	1個	0

NoEnd Micro /μ

・清澄化用フィルターユニット：0.2 µmのシリンジフィルター (ProteinArk #GEN-MSF500 Proteus mini-clarification spin columnsを推奨)
・低エンドトキシン平衡緩衝液 (PBSを推奨)
・遠心チューブ(2.2 mL)
・アングルローターを備えた遠心機*(2.2 mLチューブ使用可のもの)
・UV吸光度測定用のクオーツ製キュベット
・UV / VIS分光光度計
・エンドトキシンアッセイ用のチューブ、ピペット、バッファー(パイロジェンフリー)

*最適な性能を得るには、ローター内のスピンカラムの向きがサンプル結合と洗浄で同じであることを確認する必要があります。

Mini, Standard /S, High Capacity /HC

・清澄化用フィルターユニット：0.2 µmのシリンジフィルター (ProteinArk #GEN-MSF500 Proteus mini-clarification spin columnsを推奨)
・低エンドトキシン平衡緩衝液 (PBSを推奨)
・遠心チューブ(50 mL)
・スイングバケットローターを備えたベンチトップ遠心機*(50 mLチューブ使用可のもの)
・UV吸光度測定用のクオーツ製キュベット
・UV / VIS分光光度計
・エンドトキシンアッセイ用のチューブ、ピペット、バッファー(パイロジェンフリー)

*アングルローターで最適な性能を得るには、ローター内のスピンカラムの向きがサンプル結合と洗浄で同じであることを確認する必要があります。

精製データ

E.coliライゼートと抗体の混合試料の精製
Proteus NoEndo™HCスピンカラムをPBS（pH 7.5）で事前に平衡化し、20 mlのタンパク質サンプルをロードし、100 gで30分間遠心分離しました。 フロースルーを2番目のカラムにロードし、同じ条件で遠心分離しました。精製後プレートリーダーを使用して、エンドトキシン量を測定し、4 logの減少が確認されました。

タンパク質のpIにかかわらずタンパク質回収率が高いことを示したデータ
Proteus NoEndo™SおよびProteus NoEndo™HCスピンカラムは、低いタンパク質結合を示します。 このデータは、等電点（pI）に関係なくカラムで精製された様々なタンパク質の回収率を示しており、ほとんどが90％近くのタンパク質回収率が得られました。

価格表

Micro 価格表

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Mini 価格表

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Standard 価格表

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HighCapacity 価格表

法規制

製品名, 品番	毒劇	化管法 (第1種指定）	化管法 (第2種指定)	労働安全衛生法	SDS
エンドトキシン除去キット NoEndシリーズすべて	-	-	-	該当（エタノール）	SDS

関連製品

　　　　　

抗体/タンパク質精製レジン	ミックスモード抗体精製レジン	ウイルス粒子精製用レジン	単球活性化試験（MAT)

プロトコール