SAffConアッセイ- 血清中の抗体プロファイリング Seroaffinity and Concentration (SAffCon) assay

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SAFFconアプリケーションフライヤー(和文・PDF)

Fluidity One-Mによる新しいタイプの定量的血清抗体プロファイリング

薬剤、ワクチン、または抗原に対する免疫反応を研究する場合、ELISAなどの既存の血清学的技術は、力価などの半定量的な結果しか提供しません。これは血液中の抗体の存在を判定できますが、結合能の高い抗体が低濃度で存在するか、結合能の弱い抗体が高濃度に存在するかを区別する能力が不足しています。いくつものステップが必要な従来の血清学的アッセイは時間がかかり、新規抗原に対し開発が困難で、得られた力価をラボ間で比較することはできません。

これらの課題を克服するために、Seroaffinity and Concentration (SAffCon)アッセイが開発されました。

精製、固定化、外部較正を必要とせずに、臨床サンプル中の抗体の親和性と濃度を直接測定することにより、普遍的に比較可能な絶対結果を提供し、抗体の特性と免疫原性および臨床結果との正確な相関関係を実現します。

Fluidity One-Mがサポートします
Fluidity One-Mはお客様の課題を念頭に置いて開発されました。独自のMicrofluidic Diffusional Sizing (MDS)テクノロジーは、生物体液(biofluid)そのものから直接、免疫反応の包括的な特性解析を可能にします。高度な機械学習による実験ガイダンスを備えたスマートアシスタント-Fluidity Insight-が、最初のデータポイントから最終結果まで、実験をガイドします。


 
アプリケーションノート(英文・PDF)
臨床サンプル中の抗体親和性および濃度を直接測定
SAffCon Assay が、血清や血漿などの臨床サンプル中の抗体親和性と濃度を直接効果的に測定し、感染、ワクチン接種、炎症、臓器移植、または新薬に対する免疫反応について真に定量的な洞察を提供する方法をご覧ください。

実際のサイズ

SARS-CoV-2の細胞受容体に対する結合親和性は、蛍光標識ACE2を用いたMDSによって決定されました。
次に、ACE2-spike複合体を用いてACE2を置換する抗体の能力を検出することにより、抗体の中和活性を確認しました。中和抗体は、標識されたACE2を完全に置換することができ、それは、高ナノモル濃度の抗体存在下で測定された混合物のサイズが、遊離のACE2単独のサイズに戻ることで確認されました。

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実際の環境

ドナー臓器の表面に存在するヒト白血球抗原(HLA)サブタイプに特異的な抗体による臓器拒絶反応は、移植分野における大きな問題です。ドナー特異的抗体(DSA)の検出は、HLAが交差反応性結合の可能性がよく知られている密接に関連した変異型のファミリーで構成されているために複雑です。したがって、低濃度の強固な結合抗体 (DSA) と高濃度の弱い結合抗体(交差反応性)を区別することは、移植転帰の改善に向けた大きな一歩となる可能性があります。 Kosmoliaptsis研究室の研究者たちは、プレインキュベーションや前処理をすることなく、MDS法を用いて血清サンプル中で直接抗HLA抗体の結合親和性と濃度を同時に測定しました。彼らの研究において、血清中で直接測定できることは極めて重要であり、綿密に検証されました。

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真の洞察

抗体の2つの基本的な特性である親和性と濃度を直接かつ同時に明らかにする新しい血清学的アッセイが、Aguzziらによって実証されました。彼らはこのアッセイをSARS-CoV-2回復患者から得た血清に適用し、獲得された免疫反応が中程度に弱いこと、入院患者についての長期感染は抗体濃度が上昇させるが親和性には顕著な変化がないことを直接確認することができました。どちらの観察結果も、従来のELISAでは明らかにされない弱い親和性の成熟を示しています。

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関連文献

血清抗体の親和性と濃度の定量評価
リツキシマブなどの抗CD20療法を受けている患者におけるワクチン接種後の抗体価は、通常、健常者よりも低くなります。Priddeyらはこの観察結果を拡張し、観察された低い抗体価が、これらの患者における抗体の親和性低下または濃度低下に起因する程度を特定し、濃度がより重要な要因であることを観察しました。さらに、この群では複数回のワクチン接種を行っても親和性の改善が見られなかったことから、リツキシマブ治療によって親和性の成熟が影響を受けていることも観察しました。

Priddy, Ashley, et al. ” Microfluidic antibody profiling after repeated SARS-CoV-2 vaccination links antibody affinity and concentration to impaired immunity and variant escape in patients on anti-CD20 therapy” Frontiers in Immunology 14 (2024)


溶液中の抗体親和性を迅速に評価する
抗体医薬品はヘルスケア分野で広く利用されており、COVID-19の流行期における迅速な製品化は、重症感染者の命を救う上で重要な役割を果たしました。抗体の親和性を迅速に測定する能力は、現代の医薬品開発ワークフローにおいて重要であり、溶液中で測定することで、固定化をベースとしたアプローチよりも生物学的に関連性の高い結果が得られます。本論文では、様々な抗SARS-CoV-2抗体の野生型、デルタ型、オミクロン型株に対する親和性を測定し、個々の個体およびプールされた血清学的標準物質の両方における体液性反応との関連で評価しました。

Fiedler, Sebastian, et al. ” Serological fingerprints link antiviral activity of therapeutic antibodies to affinity and concentration” Scientific Reports 12 (2022): 19791

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