血清入りの培地のリスクと無血清培地のサポートデータ
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はじめに ~免疫モニタリングと細胞の保存について~

免疫モニタリングを行うためには、PBMCを凍結保存するシステムが必要不可欠です。CTL の無血清培地プラットフォームを使用して凍結、保存、輸送、解凍されたPBMCは、完全な機能を維持し、分離後の新鮮な状態と同等の結果を提供します。これは、B細胞とT細胞アッセイの両方で確立されています。
凍結保存されたPBMCを使用することには、単離されたフレッシュな細胞を毎回利用することと比較して複数の利点があります。
第一に、小分けで凍結した場合、同じサンプルを繰り返しテストすることができ、結果を再現したり、プレテストを行った後、本試験を行うことができます。第 2 に、細胞を関連研究機関 に出荷し、そこで同じ細胞を使ったテストを行うことが出来ます。PBMC の凍結保存は、T細胞および B細胞アッセイの開発と検証に不可欠です。
>>米国内で採取、保存済み
ヒト凍結PBMC
血清入りと無血清の培地利用について
血清入りの培地で細胞を調製、保存、テストすることのリスク
培地に添加し、広く使用されている血清は、バッチ間の生物学的特性にばらつきがあります。このため、特定のアプリケーションに適したバッチを取得するには、多くのバッチを事前にスクリーニングする必要があります。
例えばPBMCのような細胞の洗浄または凍結/解凍作業中に、血清に混入したマイトジェンへのPBMCの短時間の曝露でさえ、サイトカインアッセイにおいて高いバックグラウンドをもたらす可能性があります。さらに、毒性または抑制性の血清バッチは、アッセイ結果を危険にさらします。
異なるバッチの血清に切り替えるときについても、アッセイ条件に重大な予測不可能な変数が導入され、実験結果の比較が困難になります。
問題ないバッチを特定した後も、アッセイ条件の一貫性を可能な限り保証するために、1ロットを大量に確保しておく必要があります。このことは血清の使用に関連する不便さとコストを増加させます。
ELIPSOTアッセイにおける異なる血清バッチ間の性能のばらつき
▶異なる血清バッチはin vitroでのT細胞のパフォーマンスに個別に影響を与える。
(上図)単離したフレッシュPBMCをIFN-γ ELISPOTアッセイでMumps抗原に対するリコール反応をテストした。青は培地のみ、赤はMumps抗原を添加している。
実験条件は、異なるロットの血清を用いたこと以外は同一であった(各血清5%に1%グルタミンを加えたRPMI培地を使用)。
異なる血清によるアッセイ性能の傾向は、低バックグラウンド/低シグナル(血清1)、高バックグラウンド/高シグナル(血清2)、高バックグラウンド/中程度シグナル(血清3)、低バックグラウンド/中程度シグナル(血清4)であった。
血清利用に対する動向
上のような理由から、規制当局やアカデミアでは、血清の使用を避け、一貫性のある定義された代替品に移行する潮流があります。
しかし、血清は細胞の成長と機能に必要な多数の成長因子やその他の必須物質が自然に豊富であるため、一般に初代細胞、特にPBMCの血清代替物を開発することは困難でした。ほとんどの無血清培地には、堅牢な腫瘍細胞やハイブリドーマの増殖を可能にするのに十分な添加物が含まれていますが、新たに分離したヒトPBMCは、無血清培地での生存率と機能を維持するために、より厳しい条件を必要とします。
CTL社の取り組み
CTLは、米国政府、産業、およびアカデミアパートナーと長年協力して、新たに分離または凍結保存されたPBMCで実行されるELISPOTおよびその他の直接exvivoサイトカインアッセイを標準化しています。これらの取り組みにより、CTL Serum-free Mediaプラットフォームが誕生しました。
これは、ヒトPBMCを使用する4つの重要なステップである洗浄、凍結、解凍、アッセイをカバーするように注意深く設計された3つの製品ラインで構成されています。
CTL社 無血清培地プラットフォーム
各製品の詳細と価格情報は製品ごとのリンクをご覧ください。
CTL無血清培地プラットフォームのサポートデータ
細胞の生存率と回収率 ~凍結保存後~
▶ CTL無血清試薬を利用した凍結PBMCは解凍後高い生存率を保持した。
(上図)18人のドナーの凍結保存PBMCをCTLプロトコールに従って解凍した。
(A)細胞の生存率% Viable(生存細胞数/細胞総数×100)は、Guavaプラットフォームを用いた生死細胞染色で測定した。回収率% Recoveryは(解凍後の細胞数/凍結した細胞数×100)を示す。
(B)代表的なプロットを示している。
(C)全18ドナーの生存率と回収率の平均値と標準偏差を示している。
サイトカイン産生能 ~凍結保存 vs フレッシュ~
▶CTL無血清試薬を利用した凍結保存はCD4またはCD8 T細胞のサイトカイン生産能を損なわない。
(上図)サイトカインELISPOTアッセイでは、スポットサイズは個々の細胞のサイトカイン産生能を反映する。ImmunoSpot®アナライザーを用いて、細胞を刺激する抗原によって誘導されたIFN-γスポットの形態分析を行った。
パネルAはCD4細胞、パネルBはCD8細胞を示す。
フレッシュな細胞(緑)と凍結細胞(青)について、各カテゴリーのスポットサイズ分布を示した。
横軸はスポットサイズを示す。
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