製品概要

ViralPolish® クロマトグラフィーレジンは、ウイルス精製に特化しており、孔径を厳密に制御した不活性な外殻と、不純物を迅速に高容量で結合させるための多官能性リガンドを内部に持つ二層アガロースビーズで構成されています。
このビーズをカラムに充填すると、ウイルスのような大きな粒子はビーズから排除され、ウイルスはカラムベッドを通過してフロースルー画分に回収されます。一方で不純物はビーズ内に捕捉されます。これにより、非常に穏やかな精製プロセスが実現し、効率的なクリーンアップと活性ウイルス粒子の高い回収率が得られます。

ViralPolish®の模式図

独自の二層構造をもつアガロースビーズ（左図参照）
外殻：厳密に孔径制御された、サイズ排除部位
内部：ミックスモードリガンドによる吸着部位

外殻Shell部分のSEC性能評価

ViralPolish® 樹脂の外層の孔径分布は、カットオフサイズ以上の分子量の物質がレジンの「活性コア」に結合するのを防ぐために重要です。ViralPolish® は、厳密に制御された細孔を持ち、ウイルスおよび高分子の排除を実現し、その結果活性ウイルス粒子の回収率が大幅に向上します。

アプリケーション

ウイルス、ウイルス様粒子の精製
レンチウイルス、アデノウイルス、VLP、その他大きなサイズのウイルス
AAV、VLP、プラスミド
ワクチン抗原、巨大タンパク分子

ViralPolishレジンの選択ガイド

Key Features

末尾 "A": マイルドな疎水性を持つミックスモードアニオンリガンド。容易に再生して再使用可能ですが、結合能が低下する可能性があります。

末尾 "B": 強い疎水性を持つミックスモードアニオンリガンド。ローディングキャパシティがより高いですが、再生が難しく、シングルユースに適しています。

　　 　　　 　　 　　 　　 　　

レジン	アプリケーション
ViralPolish 400A ViralPolish 400B	ワクチンや抗原タンパク質
ViralPolish 700A ViralPolish 700B	AAVやその他類似のサイズのウイルスやVLP, プラスミド
ViralPolish 5000A ViralPolish 5000B	レンチウイルス、アデノウイルス、VLP 非常に高分子量の不純物（例えば、切断されたAAVや空のキャプシド）を除去する必要がある場合にはAAV精製にも適用可能
ViralPolish 6000A ViralPolish 6000B	小さいウイルス（おおよそ30 nm以下)
ViralPolish 7000A ViralPolish 7000B	小～中程度のサイズのウイルス（おおよそ40～80 nm程度）、 または0.5 - 1 kbのDNAの除去
ViralPolish 8000A ViralPolish 8000B	中程度～大きいサイズのウイルス（60～100 nm程度）、 または1 kbのDNAの除去
ViralPolish 9000A ViralPolish 9000B	大きいサイズのウイルスや大きいエクソソーム（おおよそ100 nmかそれ以上）、 または1 kbより大きいサイズDNAの除去
ViralPolish 10000A ViralPolish 10000B	非常に大きいサイズのウイルスや大きいエクソソーム または1 kbより大きいサイズDNAの除去

基本仕様

　

粒子径	50～150 µm
リガンド	ミックスモード（AタイプはBタイプよりも疎水性が低い）
タンパク吸着量	>40 mg/ml resin（分子種、結合条件による）
耐圧	3 barまで
流速	500 cm/hrまで
化学安定性	ほとんどの一般的なバッファー溶液系で安定
pH安定性	2～14 (2時間以内)、3～12 (長期)
保存条件	20% エタノール、4℃

オペレーション

データシート：ViralPolish® Purification (VP) Resin

カラムへの充填

製品は20％エタノールで納品され、市販のクロマトグラフィーカラムに充填することが可能です。
充填時は、脱イオン水または低塩バッファーを使用し、一般的な方法で行うことができます。フロー充填の場合は特に最大充填圧力に注意が必要です。一般的な充填圧力は0.2～0.3MPa（2～3bar）です。
充填効率の評価（Packing Efficiency Assessment）はデータシートの3. Operationパートを参照してください。

メンテナンス

Cleaning-in-place (CIP)や洗浄用の溶媒についての注意点はデータシートの6. Maintenanceパートを参照してください。

精製メソッドの最適化

結合pH、イオン強度、流速（滞留時間）の最適化を行うことをお勧めします。製品収量と製品純度のバランスをとるために、流速の最適化に特別な注意が必要です。詳細はデータシートの4. Method optimizationパートを参照してください。

価格表

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法規制等

　　　　　　

製品名, 品番	毒劇	化管法 (第1種指定）	化管法 (第2種指定)	労働安全衛生法	SDS
ViralPolish®	-	-	-	該当（エタノール）	SDS

プロトコール